薪割りの3つのコツ

薪ストーブ
薪割りが身近にあるという人は少ないと思うが、薪ストーブが流行りをみせたり、薪という存在は一昔に比べるとその存在感を上げている。
薪割りというと屈強な木こりが軽快な音を立てて激しく斧を振り下ろしている情景が思い浮かぶのだが、実際にやってみるとそうでもなかった。
力任せに奮ってもなかなか薪は割れないし、斧への力の伝達という部分を疎かにして結果的に薪をうまく割れず何度も斧を振り上げては振り下ろすこととなった。
そんななかで、斧を利用した薪わりにおけるポイントは3つあると考える。
1薪をしっかり立てる
2振り下ろしのときはコントロールに注力し、ポイントを正確に捉えること。
3斧のヘッドの重さを活用し、力を加えない。
この三つを守ると比較的ラクに、テンポよく薪を割れるハズ!
薪をしっかり立てること
薪をしっかり立てるなんてことは当たり前のことのように感じるかも知れないし、通常の作業の中で力こそいらないが面倒くさくなりがちな部分ではある。しかしながら、ここをないがしろにしてしまうと、あとからのべる、部分が無駄になるので注意したい。
とはいっても難しいポイントはない。薪を割るために斧を振り下ろすと思うが、その振り下ろした斧の軌道と薪の台と薪の繊維の向きがが一直線に近くなっていれば良い。
薪は繊維方向に沿って割れやすいので、上を守るとその他のポイントが活きてくる。
ポイントを正確に捉えること
薪わりにおいて、もっとも重要なのは「薪にきちんと斧を当てること」であると言える。「きちんと」と言ってしまえば簡単だが、ここでいう「きちんと」は刃の向きと角度を表している。
刃の向き
下の図解で言えば、左側はきちんと刃の向きが力の向きと一致している。右は刃の向きが力の向きとずれている。右のようになってしまうと丸太からの抵抗により、刃が弾かれてしまい、せっかくの斧を振り下ろした力が分散してしまいうまく割れない。

薪割りの角度
結果として、左側は斧が当たった部分に力が加わり、適切な力であれば斧が割れる。
刃の角度
これは向きほど重要ではないものの、刃の面を意識して斧をふるということ。下の図解で、左側であれば力はきっちりと伝わるが右だと部分的に伝わり、割るための力を使える。一方で右側だと、手前側に木を押す力が加わってしまい、結果的に木を吹き飛ばすという結果に終わってしまいかねない。

薪割りの高さと角度
向きほど重要ではないといったのは、調整がそれほど難しくないためだ。刃の角度は重心の位置と、あとで述べる力のかけ方のポイントさえ気をつけていればそれほど難しくない。斧を振り上げる前にすでにある程度調整できる。
斧のヘッドの重さを活かし、力を加えない
薪わりのイメージというと、屈強な木こりが太い丸太を割っているイメージだろうか。
実際に家庭で割る必要のある薪というのはそれほど丸太というほどの体のものは少ない。枝よりは太いが、両手で運べる範囲が多いハズ。でなければ取り回し自体に苦労する。
時としてある程度大きな丸太を割る必要があるかも知れないが、それはきっと上級編なので、今回は無視する。
市販のウェットティッシュのサイズから丸いすサイズの丸太を割るのであれば力は要らない。むしろじゃまになる。
重要度で言えば振り下ろすときにプラスされる力<<<コントロールだ。きちんとコントロールされるほうが重要。
かのシャアの名言「当たらなければどうということはない」というのと同じで、斧が丸太に当たらなければ、いくら力を加えても薪を割るという結果は得られない。
それに、ある程度の高さから斧を下ろせば結構な力になる。目安としては一般的な男性で目の高さから下ろせば、割れるか割れないまでもある程度突き刺さり、2,3回追加で地面に叩きつければ割れる。
餅つきの人がやるように、頭の上まで斧を振り上げれば割れるかそれに近い状態になる。
斧の重みと重力が仕事をしてくれる。したがって、振り上げてしまえばあとは斧が飛んでいかないようにするだけで、力をいれない。集中力は斧で木をきちんと捉えることに使う。
まとめ
斧を振り上げる作業自体はそれなりに労力を使うが、振り下ろしのときはほとんど力を使わないので慣れてくればテンポよくできるはず。もちろん、木の種類や乾燥具合によって薪割りの難易度は変わるが、振り下ろしに力をいれて的を外して疲労することほど疲れる作業もない。
的を捉えられるようになってくると楽しくなってくるので、ぜひこの方法は身につけてほしい。